研修を受けても防げなかった…名古屋大学の個人情報漏えいから学ぶ“実践力”の必要性

6/18のニュースから。https://www.nagoyatv.com/news/?id=030608

20254月に名古屋大学の教員が遠隔操作による不正アクセス被害を受け、学生・生徒計1626人分の個人情報が漏えいした可能性が報じられました。

📍事例の概要

  • 教員が業務用PCWeb閲覧中、「ウイルスを検出した」という警告画面が出現。
  • 表示されたサポート窓口に連絡し、指示通り操作。
  • 遠隔操作により不正アクセスが行われ、成績やメールアドレスなどの個人情報が流出の可能性
  • 教員はセキュリティ研修済みだったが、「大きな音と警告表示でパニックになった」と証言。

🔍 なぜ防げなかったのか?

この教員は年1回の情報セキュリティ研修を受講していました。それでも、緊急時の冷静な判断や行動にはつながらなかったという現実。

つまり、「知っていること」と「行動に移せること」は違う。

情報セキュリティに必要なのは“知識”だけでなく、“実践力”です。

💡 では、実践力を育てるには?

情報セキュリティ対策はもはや「知っていればいい」時代ではありません。これから必要なのは、以下のような「行動につながる教育」です。

❇ 実践力を育てるセキュリティ対策のポイント:

対策 内容
フィッシング模擬訓練の実施 定期的に本番さながらの偽装メール演習を実施し、社員の判断力を鍛える
音+視覚のシミュレーション教育 実際に警告音+偽画面を体験させ、冷静な対応スキルを習得させる
スマホ・PCの初期設定の見直し セキュリティソフト、リモートロック、OS更新などを強制・確認できる環境を整える
インシデント発生時の即時対応マニュアルの明文化・共有 「慌てたときに読むシート」を作成・掲示しておく
セキュリティ文化の浸透 「声かけ・相談」がしやすい社風を育てる。自分の失敗も共有する風土に

🔐情報漏えいは誰にでも起きうるを前提に

今回の事件から学ぶべきは、「研修を受けていれば大丈夫」ではなく、「人はパニックになると、知識があっても誤操作してしまう」という現実です。

だからこそ、冷静に行動できる力(=実践力)を、日頃から養う訓練が欠かせません。

✉編集後記

情報漏えいは、意識の高い人でも不意に起こしてしまうヒューマンエラーです。今一度、貴社の研修内容やマニュアル、スマホ・PC設定などの基本を見直してみませんか?

「学ぶ行動できる」に変える。そのきっかけになれば幸いです。