紙保管とデータ保管のバランスが見直される時代

少し前はDX化の波に乗り、「紙保管をやめてすべてをデータ保管へ」という流れが加速していました。しかし近年、クラウド環境を狙ったサイバーアタックやデータを抜き取る形での情報漏えい事件も増加し、紙保管の安全性が再び注目を集めているように感じます。

実際、先日のJAPHIC審査で訪問したあるシステム会社では、重要情報は紙で保管し、業務で利活用するデータのみをデジタル化するという運用を行っていました。そのバランスは自社の業務と保護体制を考えた最適解だったのだと感じました。

この時代の流れに翻弄されながら、正解のない「体制構築」はしんどいものがあります。

それでも、業務のムダをなくし効率化を図りつつ、安全性も保つことの土台を認証による「基準」を持つことで、最速で最適解に辿りつけるのかもしれません。何回目かの更新審査受審されているその事業者様を見ていてそう思いました。

データ保管のリスクと守り方

1. サイバーアタックによる情報漏えい

クラウドや社内サーバは外部からの不正アクセスを受けるリスクがあります。

特にVPN設定やアクセス権限の管理が甘いと、情報流出の危険性が高まります。

2. 内部不正による情報持ち出し

ID・パスワードの流出や、権限の乱用によって内部から情報が流出するケースもあります。

アクセスログの監視や、必要最小限の権限設定が重要です。

3. バックアップデータの管理不備

災害時や障害発生時のためにバックアップは必須ですが、暗号化されずに保管していると盗難・流出の危険があります。

紙保管のメリットと課題

メリット
  • 外部からのハッキングリスクがゼロ
  • オフライン環境での長期保存が可能
  • アクセス制限(物理的施錠)が容易
課題
  • 保管スペースが必要
  • 災害(火災・水害)時のリスク
  • 検索性・共有性が低い

DX化時代の最適解:成長

紙保管とデータ保管のどちらか一方に偏るのではなく、情報の性質や重要度に応じて保管方法を選ぶ「ハイブリッド運用」が最適解なのは、どこかで皆さんが感じているところではないでしょうか。とは言え、事業体系によっては「データ保管のみ」が最適解の場合もあるかもしれません。

  • 重要情報・原本:紙保管(耐火キャビネット+入退室管理)
  • 業務活用データ:暗号化したデジタル保管(クラウド・NAS等)
  • 定期的なバックアップと紙・データの両面での保存

上記は一つの提案にすぎませんが、自社の体制、業務の質、取引先との関係性、様々な要因を加味して考え成長させていく「保護体制」。

個人情報保護法も見直しを繰り返すことを前提とした「成長する法」です。

生き物である「事業者」の保護体制も成長し続けることを前提として構築してください。

情報保護体制の構築でリスクを最小化

紙・データの両面でリスク管理を行うためには、社内規程の整備と従業員教育が不可欠です。JAPHICマークやISO27001/Pマークといった認証制度は、単なる形式ではなく「日常業務に情報保護の視点を組み込む教育ツール」として有効です。

TBCSグループはISO/Pマークのコンサル事業も展開しております。

JAPHICからISO27001へステップアップする事業者様も多くいらっしゃいます。

「保護体制構築」「マネジメントシステム構築」「認証取得維持運用」を始めるのにJAPHICマークは土台をしっかり馴染ませ、強固にした上でステップアップできるので、導入に適してると考えています。ISO取得を将来的に考えているんだけど、まだできない、というご相談も多くございます。

是非、お気軽にお問い合わせください。

DX化の時代だからこそ

「何をデータ化し、何を紙で守るか」を戦略的に決めることが企業の生存戦略となります。

情報保護体制を整え、安全かつ効率的な情報管理で経営成長を後押ししましょう。

TBCSグループJAPHIC事務局がサポ―トできることがあろうかと存じます。お問い合わせお待ちしております。