個人情報保護委員会が初の緊急命令を発出。名簿提供が詐欺に悪用されるリスクとは?中小企業が見直すべき個人情報の管理体制と対策をわかりやすく解説。

特殊詐欺に“名簿が提供されていた”衝撃の事案
初の「緊急命令」から学ぶ、企業が見直すべき個人情報の取り扱い

2025年5月16日、個人情報保護委員会が、ある企業に対して初の「緊急命令」を出したというニュースが大きく報じられました。▻参考 https://www.jiji.com/jc/article?k=2025051601061&g=pol

名簿を扱う東京都内の企業が、特殊詐欺グループに個人情報(名簿)を流していたとされるもので、関係する別会社では計100万件以上の個人情報が第三者へ提供されていたとされています。

📌 何が起きたのか?(ニュース要約)
  • 東京都内の名簿業者「うるる株式会社」が収集した個人情報を、詐欺目的に悪用される可能性がある第三者に提供
  • 提供件数は数十万件〜100万件超
  • 個人情報保護委員会は情報提供の差し止めを目的に「緊急命令」を発出(制度開始以来、初の適用)
  • 名簿提供先は実質的に詐欺組織と関係があるとされる
🚨 この事例が突きつける「3つの現実」
1. 「名簿を扱う業者」=信頼できるとは限らない

「業務委託で頼んでいる」「代行しているだけ」では通用しない時代です。
自社が直接関与していなくても、委託先や名簿の取り扱い先が信頼できるかのチェック責任は、自社にあります。

2. 「何に使われるのか」が見えていないリスク

今回のように、自社が提供したデータが、どんな経路でどう利用されるのかを追えていないと、気づかないうちに“違法な目的”に使われることも。

3. 緊急命令=企業への「強制力ある是正」

通常の「行政指導」とは異なり、緊急命令は命令違反に罰則が伴う重大な措置です。
それが初めて適用されたという点で、企業としても他人事では済まされません。

🔒 企業が今、気をつけるべきこと

✅ 委託先・提携先の信頼性チェック

  • 名簿業者・営業代行会社・アンケート回収業者などの情報の出し先はすべて洗い出す
  • 「何の目的で・どう扱われるのか」を契約書・覚書で明記する

✅ 個人情報の提供・販売フローの透明化

  • どの部署が、どの判断で、どこへ提供しているかを「見える化」
  • 社内でも「名簿を取り扱うリスク」の研修を実施

✅ 社内ルールの明文化と徹底

  • 「提供していい/してはいけない情報の基準」を明記
  • 「再委託時のチェックフロー」なども整備

👥 特に中小企業こそ「見直すべきタイミング」

「うちは大手じゃないから…」「個人情報っていっても営業先のだけだから…」
――そう思っている企業こそ要注意。

名簿のやり取りが多いのはむしろ中小企業。
そして、小規模ゆえにルール整備が曖昧な企業が狙われやすいのです。

📝 まとめ

「名簿」は“売り物”ではなく“預かり物”と考える時代に。

  • 自社で管理していなくても、委託しているだけでも
  • 悪用されてしまったら、責任を問われるのは自社かもしれません
📩 もし「うちは大丈夫か不安…」という方へ

・自社の名簿の扱い、大丈夫?
・委託先に情報が流れていないか確認したい
・社内ルールを整えたいけど、どこから始めたら…

そんなご相談を無料で受け付けています
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