社員のAIツール利用が招く情報漏えいリスク|管理職・教育担当が今できる対応とは

先日、ある小売業の経営層の方とお話をしていた時、こんなエピソードを教えてくださいました。

「この間ね、新入社員がクレーム対応で送ったメールがすごくよく書けてて、感心したんですよ。
褒めたら、“AIで下書きしたんです”って。
若い人は当たり前のように使うし、こっちも教育のムダが省けていいなと思ったんですよね」

この話、あなたはどう受け止めますか?

便利なツールを使いこなす若手。
それを歓迎する上層部。
でもその裏で、情報セキュリティ担当・教育担当・現場マネージャーは少しザワッとするかもしれません。

🤖 約3割の社員が「内緒でAIを使っている」時代

Forbes JAPANによると、3人に1人の社員が上司に知らせずAIツールを使っているという調査結果があります。▻参考 https://forbesjapan.com/articles/detail/79179

使っている目的は、ほとんどが「生産性向上」や「時短」。
でも、そこに「会社のルールがまだ整っていない」「バレたら怒られるかも」など、グレーゾーンを漂う心理があるのも事実です。

🚨 AIを“こっそり使う”ことの本当のリスク

「便利だから」「怒られたくないから」と、社員が黙って使っていることで、こんなリスクが生まれます:

  • 社外秘の情報をChatGPTに入力 → 意図しない情報漏えい
  • 生成された文章を鵜呑みに → 誤情報や事実誤認によるクレームリスク
  • 上司も内容を把握していない → 責任の所在が不明に

これ、管理職やセキュリティ担当が知らないところで進行しているんです。

🤔 なぜ内緒で使っちゃうの?

若手社員の立場になって考えてみると、こういう気持ちがあるかもしれません:

  • 「うるさく言われるくらいなら黙って使おう」
  • 「相談しても理解されない気がする」
  • 「AIツールって禁止なんだっけ?よくわからない…」
  • 「他の人も使ってるし、自分もバレないならいいかな」

つまり、禁止されているからではなく、“何も決まってない”から勝手に使ってしまう
これは、職場の“ルール不在”が生む典型的なヒヤリハットです。

🔍 立場別:どう対応すればいい?

🔐 情報セキュリティ担当者へ

  • 利用ガイドラインを整備(禁止よりも“使うときのルール”重視)
  • 入力してはいけない情報や、活用の範囲を具体的に記載する

📚 教育・人事担当者へ

  • 「AI研修」を“スキル”としてだけでなく“リスク理解”として導入
  • 「AI活用成功事例」と「失敗事例」を交えて、現場目線で伝える

🧑‍💼 管理職・リーダーへ

  • 「使うな」ではなく「どう使ってる?」と聞ける空気づくりを
  • 雑談ベースで、部下の使い方を知る=一番の教育チャンス

🌱 ポイントは「使わせる」でも「止める」でもなく…

“安心して相談できる状態”をつくることが最優先です。

AI活用は、リスクにも、チャンスにもなります。
それを分けるのは、「現場の一人ひとりがちゃんと考えながら使っているかどうか」。

だからこそ、

  • 正しい使い方
  • 最低限のルール
  • 心理的安全性のある職場環境

この3つを整えることが、これからのAI時代の情報セキュリティにつながります。

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